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(前回からの続き)
 
ここまで目標のロッドになってこないと、正直焦りを感じます。
これは色々なことに大して大きな変化を付けなければ、
改善することは出来ないと感じ始めたのも、この時期でした。
 
そして大きな決断。
「ブランクの製造業者を変更する」。
このタイミングで大きな変化は、大幅に予定が遅れることになる。
しかしC3シリーズを「良い」といっていただける様々な要求の高いお客様方に対して、
中途半端なものでは「No」と言われてしまう。
それでは弊社がロッドを作る意味が無い。
 
そこで、大きな決断・・・。
 
今回の試作は新しいブランク製造業者への模索も兼ねていました。
しかし結局のところ、このままでは私達の理想とするブランクにはShore11はならない。 
結局、今までのC3シリーズをお願いしている業者さんに頼み込みます。
当初、11ftの軽量ハイパワーということで相談していた為、
業者さんもできるかどうかに確信が無い為、
難色を示していたというのも、新しい業者さんの模索の理由にありました。
 
ということで、まずはイメージと理想だけを伝え、ブランクの試作を行うことに。
結果、奇跡的ですが1回目から素晴らしい可能性を感じるブランクが!
喜び勇んでガイドの配置、グリップの形状及び長さの見直し、
全体の試作へ。
また、このタイミングでKガイドの発売が決定。無論、早速採用を検討します。
まずは今までのブランクでのガイドセッティングを新しいブランクに合わせてリファインしたものと、
Kガイドを基準にセッティングしたものを作成し、早速河崎氏へ。
 
河崎氏もそのプロトを持参し、早速トカラへ(こういう動きの速さは本当に助かります)。
 
 
↓ 結果です。
 
写真6.jpg
 
パワーと軽さの両立は、格段にレベルアップしたとの評価を頂きました。
(この模様はNHKのBSにて放送されました)
 
ただただ、理想的というロッドには、まだまだ修正箇所が存在しました。
「弾性」「重量」「シルエット」のレベルアップは絶対的に必要でした。
 
よってここから上記レベルアップの模索を始めるべく、
2方向/2パターンの試作を実施します。
 
(パターンA : 本試作の延長線上から試作)
 ① 現状の試作ブランクを軽量化
 ② 現状の試作ブランクを軽量化しつつ、硬度をUP
 
(パターンB : 本試作を更にシルエットを細く)
 ③ 現状の試作をそのまま、シルエットを細く
 ④ 上記をより硬度UP
 
と、4パターンの試作を実施。
早速、ブランクの試作を依頼します。
 
数週間の後、上記4種の全試作ブランクが完成/到着。
どれもなかなか良い印象の持てるブランクです。
早速、ブランクの状態で検証。
 
A-① : ブランクの状態で、目標のルアー重量の使用に不安(重い方)。
      また、少し‘ダルイ’感じが否めない。
A-② : 理想的。後はどの位軽いルアーをキャストできるか。
      また、使用時の重量感が軽減できているか?
 
B-① : 感覚的に、サーフ用11ftといった印象。
      現時点で50gのキャストが上限といった印象。
B-② : かなり好感触。ただし10kg超の対象魚との対峙が可能かどうか不安。
 
という結果。
T-KWSGをメインに何パターンかのガイドをセッティング。
チタンであること、そして他の同サイズのガイドで比較すると、
やはり全ての面において、ダブルフットではKシリーズが理想的なガイドでした。
 
次にキャスティングの性能検証。
15gのミノーから100gのジグまでを試投。
およそ4時間程度投げ続けた結果、
15gで40m以上、18gで50m以上の飛距離、
60~100gでは100m以上の飛距離を計測することが出来ました。
※ PEラインによる計測(キャスト後、ルアーとロッドを真っ直ぐにしたときのPEラインの色にて計測)
 
理想的な値に「ようやく」という実感がこみ上げてきたのは言うまでもありません。
(手前味噌にて恐縮なのですが)
リトリーブの際も、ルアーの動きの感じ方や振り抜け等、
満足の行くレベルとなりました。
 
そしていよいよ最終(となるはず)の釣行試験。
場所は和歌山県某所。
ヒラスズキをターゲットに行います。
しかしここでも、わずか数投で問題が・・・。
キャスト時、キャストの際アングラーの入力するパワーの伝達が、
あまりにも綺麗にバットからティップに移行する為、
ティップへの伝達が良すぎる理由にて、ラインがTOPから2番目のガイド付近に良く絡みます。
無風の状態ではトラブルにはならなかったのですが、
特にPEライン使用時に顕著に見られる現象。
強風の際、横風を受けた時に発生することが今回の釣行で確認できました。
これではアングラーのストレスの原因となってしまいます。
勿論、結果はNG。
またしても、全体の見直しを実施します。
 
今回の問題の対策として、
「ガイドの数量をひとつ増やす」という手法を使います。
元来ガイドを増やすと重量が増加し、
よりティップのブレが多くなるというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、
実際にはガイドの間隔が狭くなることで、ロッドの反発も増加します。
(勿論、闇雲に増やせば良いという訳ではございません)
 
変更したガイドセッティングにて更に最終試作(?)⇒ 試釣。
完全に問題が改善され、
私達の理想とする「ビッグフィッシュに対応する汎用性の高い11ft」が完成しました。
 
110208_01.jpg
 
今後、発売に向けてデザイン的な最終調整に入ります。
発売時期はおおよそ今年の春頃には、皆様に御紹介できることになるでしょう。
今年の夏から秋には、様々なビッグフィッシュをこのロッドでキャッチしていただける様、
最後まで徹底追求し、完成させて参る所存です。
 
皆様、どうぞご期待下さい。
 
BOUZプロダクションの吉川です。
 
今回はShore11の開発秘話の第2回目。
試作品動向を御紹介します。
 
前回の様な内容でコンセプト立案し、いよいよ試作。
 
まず今回は従来のC3シリーズとは異なるブランク製造業者さんにも依頼・試作します。
といいますのも、より多くの様々な製造業者さんとセッションすることで、
「より幅広い視点から物作りが出来る」ということが主題な訳です。
 
で、まずは1社目のファーストサンプル到着。
そこからガイドセッティングの設計を開始。
 
TOPガイドはT-MNSTで決定。
Φ10でとりあえず試作。
途中をシングルフット(T-LSG)として、
最終をシングル(T-YSG)及びダブルフット(T-HVSGやT-MNSG)の設計を行い、
試作実施。
※ この時はまだ、Kシリーズが発売されていませんでした。
 
結果。
 
・ テーパーは比較的綺麗で加重移行はスムーズ。
・ 重すぎる(パワー重視の結果)。
・ 弾性が低すぎた事が原因で全体的にブレる(これもパワー重視の結果)。
 
結論 → 根底から修正決定。
ちょっと方向性を極端にしすぎました。
(こういう事はよくあるのです)
 
で、その試作をとりあえず、テスターの河崎氏へ。
 で、河崎氏の結果。
 
11-05-02.jpg
 
我社はテスターにだけは恵まれています。。。
確かにパワーは申し分ないとは思いますが、よくもここまでの結果を直ぐに出してしまうと、
改めて感心しました。
 
で、河崎氏の感想。
「パワーはありますね」
「ちょっと重いですね」
「振り抜けは気持ちいいとは・・・」
「でも、かなり重いルアーもいけますね」
 
当方の感想。
優しい、河崎氏。
でも、よくよく聞いてみると当方の指摘した内容をずばり、
そのまま実釣に置き換えて全て説明(というか指摘です)して戴いたわけで、
やはり当社のテスターは優秀です。
 
ただ収穫も多く、
ガイドの基本構成はこの段階でほぼ決まり。
Kガイドを中心に行くか、シングルで行くかの方向でほぼ決定。
(勿論、ブランクに併せて詳細設計となりますので、この段階では基本的な方向性です)
 
で、セカンドサンプルの設計へ。
 
「強いブランクをどこまで軽くするか」
 
という設計方針を根底から改善。
 
「軽いブランクをどこまで強くするか」
 
に変更です。
 
まず、プリプレグ(シート状カーボンのことです)を根底から変更。
続いてプリプレグの使用数も変更。
そしてそしてマンドレルの形状も完全に設計変更。
更には、製造業者まで変更(この時点で2社目となります)。
 
試作2回目 → NG。
試作3回目 → とりあえずOKで、ガイド設計。
で、出来上がったサンプルが、これになります。
 
blog用.jpgblog用2.jpg
 
壱岐(長崎県)での実釣結果。
(漁ちゃん、お世話になりました!)
 
写真上は弊社テスターの田中氏。
やはり弊社はテスターにだけは恵まれているようです。
初日から80UPですからね。
 
しかしながら、ロッドに関しては不満が爆発!
ファーストテーパーなロッドになったので、確かにヒラには良くはなったのですが、
それ以外の魚(特に、より大型の走る魚)での不安感、
そして材料の弾性を挙げた為にベンドが戻る速度が早すぎて、
余計な負荷を魚やライン等に与えてしまう恐れがある→ラインブレイクやバラシの原因になってしまう。
そして、あまり軽くない(前回よりは軽くはなりましたが)。
 
こういった理由から、また最初からやり直しとなりました。
 
 
 
 
ちなみにその頃、河崎氏はといいますと。。。
 
 
 
 sc1438.jpg
 
トカラでGT炸裂です。。。
弊社テスターは本当に凄い。。。
 
こういったことから、
またまた一から完全にやり直しとなってしまいました。
正直に申し上げるとこの時期は「正直、コンセプトの実現は不可能なのか?」ということも、
感じ始めた時期でした。
 
次回へ続く。
 
BOUZプロダクションの吉川です。
今回の耳より情報は、現在開発中のC3の追加機種を御紹介したいと思います。
 
現在、企画段階では4機種のロッドがあるのですが、
とりわけ、量産が決定している機種が、以前から紹介をさせていただいている
「Shore11」です。
 
P4250006.JPG
 
まず、このモデルの開発コンセプトは、
「ヒラスズキ」と「大河川やサーフのビッグフィッシュ」、
(オオニベやアカメ、イトウ・アメマス等の超大型トラウトやサーモン)
そしてショアジギングまでを1本の竿で網羅したい、というものでした。
(この時点で、かなり無茶な要求をロッドに課しているのですが)
 
「なんだ、簡単じゃないか」、
言葉にするとそうなのですが実際にはものすごく大変な作業になりました。
 
簡単に説明させていただくと、
 
「ヒラスズキ用ロッド」
 (理想)
  ① ファーストテーパーであること
    → 向かい風でのキャスト性と高い位置でファイトできる為に根に入られにくい。
  ② 細身で軽量であること
    → 徒歩での移動や泳いで根を渡る際、風や潮の影響を受け難い(安全性)。
    → 向かい風でキャストしやすい。
 
 (他のロッドとの矛盾) 
  ① サーフロッドとしては遠投にコツがいる。
  ② ショアジギングロッドとしてはルアーの重量が物足りない。
  ③ 軽いロッドとして設計した場合、他の大型魚とのファイトでパワー不足になりやすい。
 
「サーフ用ロッド」
 (理想)
  ① パラボリックからスローテーパーであること
    → ルアーの重量をロッドに乗せ易いテーパーが遠投性良好。
  ② 10~35g位が投げやすいこと
    → サーフで多用されるルアーの重量やサイズ(空気抵抗等)に適合すること。
  ③ 軽量であること
    → 遠投性と多投性を優先する為。
  ④ パワフル(曲がって戻る力が強く、適度に遅い)であること
    → 大型魚と対峙した場合、しっかりとプレッシャーを掛けられ、相手を弱らせられる事。
 
 (他のロッドとの矛盾)
  ① ヒラスズキロッドと比較するとパラボリックである為、根に潜られやすい。
  ② 高反発だとヒラスズキのバイトを弾き易い。
  ③ 軽いロッドとして設計した場合、他の大型魚とのファイトでパワー不足になりやすい。
 
「ショアジギングロッド」
 (理想)
  ① 重量級メタルジグ(70g以上)のキャスト対応
    → 重量のあるルアーを難なく遠投できること。
  ② 10kg超級の青物への対応
    → 瞬間的な走りの強い魚の衝撃をしっかりと受け止められること。
  ③ 出来る限り軽量であること
    → 耐久性や強度、パワーを重視しながら、どこまで軽量化が可能か。
 
 (他のロッドとの矛盾)
  ① 前述の2種と比較し、ショアジギング主体にすると強すぎる。もしくは硬すぎる。
  ② 強度や耐久性を求めると、前述の2種と比較した場合に重すぎる。
  ③ 上記2点と同様に、軽いルアーに対応し難くなる。
 
という部分をクリアしなければ、
3つのジャンルや状況に対応できるロッドにはなりません。
 
110208_03.jpg
 
で、まずは設計目標の設定。
 
・ 全体重量は250gを下回ること。
・ 5kgの錘をリフトアップできること。
・ テーパーは加重負荷(ルアーの重量や魚からの加重)に応じてフレキシブルに変化すること。
・ 最大100g以上のルアーを80m以上のキャスト可能とすること。
・ 15gのプラグを30m以上のキャストを可能とすること。
・ バット部直径をΦ20㎜以下に抑えること。
 
これが設計時に弊社が立てた目標値になります。
勿論、これをクリアすれば上記を網羅する超汎用ロッドになるわけでは有りません。
むしろ、ここからが本当のロッド設計の始まりになるのです。
 
次回へ続く。。。
 
※次回は試作品の検証内容を御紹介する予定です。
 

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