宮崎のテスター、河崎です。
4月に入り、桜咲き乱れるこの時期に私は本流の女神、
エノハ(山女)に逢いに宮崎県北部の山間部へ車を走らせた。
前日から、不安と期待感が混ざり合った感覚に襲われており、ある意味、心地よい感覚でもあった。
私の第6感が何時になく、騒ぐ。「今日はもしかすると、尺以上のエノハに逢えるのでは?」
そんな根拠の無い、しかし確信も含んだ予感を抱き、フィールドに向かう。
何故、この釣りをするのか?
それは、まだ見ぬ40cmオーバーのエノハに触れたい・・・。
ただそれだけ・・・であるから。
私は普段、エノハを狙う時は渓流、里川でのフライフィッシングがメインになるが、
大河川の本流では、ミノーイングが主体になる。
ミノーのサイズは7cm~9cm、東北のサクラマス釣りにも似た感覚のミノーイングでエノハを狙う。
本流のポイントに着いたのは、午後4時過ぎ。
釣りをする時間は賞味2時間半、日没後40分が勝負時で、
入るポイントを間違えるとほぼノーフィッシュ。
だが今回は、直感でポイントを選んだ。これも根拠の無い、しかし自信を有する決断。
しかも、今だ立ち入ったことの無いポイント。
不安ながらも7cmのミノー(スミス、チェリーブラッド)をキャストし、瀬の弛みをスロージャーク。
30分後、ようやくアタリがロッドを通し手首に伝わった。
重量感溢れる鋭く尖った引きは、大物を予感させる!
高揚しながらも冷静に、魚の抵抗を感じ、そして受ける。
そうした駆け引きの後、水面に白銀の魚体が見えた!
獲った!
33cmの美しき女神、エノハが私の前に横たわる。
歓喜の瞬間。
これで十分満足するも、まだ釣れそうな気がした。
釣り人とは欲深いものである。
もう一流しだけ・・・ 。その欲深さは今回は大切なものになる。
根掛かりにも似たアタリを感じた後、強烈に走り出す。
ロッドはバットから曲がり、ドラグが出される。
今までエノハ釣りで味わった事の無い、強い抵抗!
先程の尺エノハとは、別格の力強さ!
私の鼓動が激しくなり、足が竦みそうになる。
必至に引きに耐え、必至に浮かせ、薄暗くなった水面に姿を現したのは・・・ 。
見たことも無い大きさの、エノハ。
一人、夢見心地で呆然と、私は暫く彼女を眺めた。
どの位、時間が経っただろう・・・。
徐々に、ロッドに横たわるエノハの大きさに実感が追いついてきた。
震える手でメジャーを宛てると・・・

45cm。 45cm? 45cm!!!
震える手で、白銀の魚体に触れ、本流の女神の容姿を目に焼きつける私。
決して結果に必要なのは大きさだけではない、それは判っている。
しかし、素直に嬉しい。

別れを惜しみながら手を緩めると、彼女は悠々と漆黒の流れの中に姿を消して行った。
ロッドについて記していないが、この結果をもって感じ取っていただきたい。
ただひとつ、今言える事。
このロッドは私に、生涯の思い出に残るエノハの魚体に触れさせてくれた。
<タックルデータ>
ロッド Class2-4
リール D社2500番
ライン PE0.8号
ルアー スミスチェリーブラッドMD75/82
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